フッ化物によるむし歯予防

1.フッ化物は自然界に含まれる栄養素

※1ppmは1000g中1mg含まれること

フッ化物は、ヒトの体の構成成分で、骨や歯などの硬組織を丈夫に仕上げる働きがあります。毎日、飲食物からフッ化物を摂取していますが、魚介類などの固形物に含まれるものの栄養学的な価値は、ほとんどありません。また、国内のほとんどの地域の水道水に含まれるフッ化物ではむし歯予防には足りないので、人為的に補うことで健康度を向上できます。

すべての食品にはフッ化物が含まれています。

表1は日本の食品中のフッ化物量を示したものです。これには、いろいろな食品中のフッ化物量が示されています。これをみると、私たちが日常口にしている食品中には、フッ化物が自然に含まれており、なかでも天然の食塩やお茶、魚介類のフッ化物濃度は比較的高いことがわかります。

表1 日本食品中のフッ化物量(概要)

食 品 フッ化物イオン濃度(ppm) 備考(ppm)
穀 類 0.1~2  
イモ類 0.1~2  
豆 類 0.5~3  
果実類 0.1~1  
野菜類  0.1~1 乾燥しいたけ:3~10
海藻類 2.3~14.3 乾燥品:2~10
砂糖類 0.4~2  
食卓塩 0.5~3 自然塩:25.9
味 噌 3~10
お 茶 0.1~0.7 お茶の葉:100~400
肉 類 0.3~2  
乳 類 牛乳:0.1~0.3 ミネラル牛乳:1~5
乳製品 粉乳:1~10 チーズ:0.5~1
卵 類 0.2~0.5  
魚介類 1~15 メザシ・ニボシ:10~40
海 水 1.3 6億年変化していない

飯塚喜一ほか:スタンダード口腔衛生(学建書院)

緑茶の葉にはとくに多く、200~400ppmも含まれていて、抽出したいわゆる飲用のお茶には、0.1~0.7ppmくらいです。普通の水道水や飲料水のフッ化物イオン濃度は0.1ppm程度ですが、私達が日常飲んでいるお茶はその5~7倍前後の濃度です。

このほか、酒類やビールにも0.2~2.5ppm、酢、しょうゆ、ソースなどで約0.2~1.3ppm、海水から得られた天然の食塩には21~46ppmというデータもあります。このように、あらゆる食品、あらゆる飲料水にフッ化物は含まれており、フッ化物を含まない自然物は、この地球上には存在しません。それでも、むし歯予防にはまだまだ不足です。そこで、いろいろな方法で不足分を補ってあげる「フッ化物応用」を利用します。