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口腔ケア マニュアル
口腔ケア マニュアル発刊にあたって
時代をさかのぼって今を去る53年前、第二次世界大戦の敗戦により、従来の価値体系、制度はもとより、国の根幹を定める我が国の憲法が一新され、新しい日本が誕生しました。
歯科医師法は「主権在民」の理念に裏づけられた「健康で文化的な生活」を保障する重要な職種として昭和23年に制定されました。
すなわち歯科医師は、高度な専門知識と技能を備えて歯科医療および保健指導を司ることによって、公衆衛生の向上と増進に寄与し国民の健康な生活を確保するという公共的な任務を担っているわけです。
そして、日本の高度成長を保健・医療の側で支えた保健所法が49年間の役割を終え、平成6年から地域保健法(平成9年に全面施行)が、今日の少子・高齢社会に対応すべく作動しております。
さらに、これまで保健・医療とは個別に取り扱われていた福祉の領域が介護保険法(平成9年12月)の制定により保健・医療との一体的運用となってきています。
老後の最大の不安要因である介護を、社会全体で支える制度を示す介護保険制度も、現在既にいろいろな矛盾、問題が指摘されてはいるものの、歯科としてどう係わっていくのか?私達が何を提供したらいいのか?私達の側にも問題は山積しています。
静岡県歯科医師会は、公衆衛生部特殊歯科専門部会および介護保険歯科サービス整備特別委員会を窓口として、この2年間精力的な取り組みをしてきました。昨年11月の口腔ケアパンフレットの発行に続いて、この口腔ケアマニュアル、さらにこの後に資料集、文献集の発行とシリーズで歯科領域からの発信を続けます。
口腔ケア マニュアル 目次
Q&A 口腔ケア
- Q.1 口腔ケアとは何ですか?
- Q.2 口腔ケアとは、どのようなことをするのですか?
- Q.3 口腔ケアをしないとどうなりますか?
- Q.4 口腔状態の悪化はどのような条件があると起こりますか。
- Q.5 口腔ケアをおこなう時のポイントは?
- Q.6 口腔清掃とは何ですか?
- Q.7 歯ブラシの選び方は?
- Q.8 歯ブラシの方法は?
- Q.9 もう少し具体的に説明してください。
- Q.10 歯ブラシだけでプラークコントロールは可能ですか?
- Q.11 歯ブラシの保管はどのようにすれば良いですか?
- Q.12 どのような薬液消毒をするのですか?
- Q.13 歯磨き剤はどんな物を使えば良いですか?
- Q.14 プラークと歯石は違いますか?
- Q.15 義歯の清掃はどのようにすればよいですか?
- Q.16 義歯をはずした口のなかはどのように清掃すればよいのですか?
- Q.17 義歯の管理はどのようにしますか?
- Q.18 就寝するときに義歯ははずすのですか?
- Q.19 痴呆がある場合の注意点は?
- Q.20 全身状態が悪化した時はどうすればよいですか?
- Q.21 義歯安定剤の使用はどうでしょうか?
- Q.22 義歯の着脱のしかたについて説明してください。
- Q.23 口臭にはどのように対処すればよいですか?
- Q.24 これ以外の口臭対策はありますか?
- Q.25 うがいをさせるときの注意点はありますか?
- Q.26 目的によってうがいの仕方が違うのですか?
- Q.27 うがいはどのような人にさせても構わないですか?
- Q.28 うがいをするときの姿勢は座った状態でも良いですか?
- Q.29 うがいができない場合はどうすれば良いですか?
- Q.30 麻痺がある人のうがいはどのようにするのですか?
- Q.31 唾液ってなんですか?
- Q.32 高齢になると唾液は変化するのですか?
- Q.33 口腔乾燥は加齢による唾液分泌量減少が原因ですか?
- Q.34 全身的疾患が疑われる場合の症状はどのように現れますか?
- Q.35 どのような薬が副作用を起こすのですか?
- Q.36 分泌量減少による口腔乾燥の特徴は有りますか?
- Q.37 人工唾液とは何ですか?
- Q.38 歯肉出血が起きる原因は何ですか?
- Q.39 出血した場合はどうすれば良いですか?
- Q.40 予防法は有りますか?
- Q.41 歯石除去は必要ですか?
- Q.42 嚥下障害とはなんですか?
- Q.43 嚥下障害の発見法は有りますか?
- Q.44 嚥下障害はなぜ起こるのですか?
- Q.45 嚥下障害は体重の減少等の他に全身に影響が有りますか?
- Q.46 誤嚥は全身にとって危険ですか?
- Q.47 なぜ誤嚥が肺炎を起こすのですか?
- Q.48 どのような細菌が原因になりますか?
- Q.49 誤嚥性肺炎の危険度はどれくらいですか?
- Q.50 誤嚥性肺炎の予防対策は何ですか?
- Q.51 摂食時の姿勢や体位はどのようにするのですか?
- Q.52 食事の時に口からこぼしたり、飲み込まなかったり、むせる事があるのですが。
- Q.53 なぜ、食後の姿勢の保持が大切なのですか?
- Q.54 誤嚥しにくい食物はどのような物ですか?
- Q.55 むせた時はどうすれば良いですか?
- Q.56 誤嚥防止のための基礎的な訓練法は有りますか?
- Q.57 むし歯が有っても痛くなければ放置しておいて良いですか?
- Q.58 口腔細菌とは何ですか?
- Q.59 口腔内にはどのような細菌が住んでいますか?
- Q.60 どのような疾患を起こすのですか?
Q&A 口腔清掃
Q&A 義歯(入れ歯)
Q&A 口臭
Q&A うがい(洗口)
Q&A 唾液
Q&A 口腔出血
Q&A 嚥下障害
Q&A 誤嚥性肺炎
Q&A 歯と全身の関係
Q&A 口腔細菌
あとがき
介護保険法の全面施行まで、残された時間は僅かとなりました。要介護者の口腔ケアについても、現場でどのような歯科保健医療サービスが提供できるか、私達自身の問題として準備することが必要です。
疾病構造が時の流れで変化していくことに合わせて、私達も柔軟に対応できる「しなやかさ」を持つことが大切になってきます。
本冊子は「口腔ケア」に関するノウハウをお伝えするものですが、この後に、口腔ケアと全身の関係を解明する文献集の発刊を予定しています。
口腔ケアを通して要介護の方々のQOL、ADL向上を目指す関連職種の方々のお役に立つことを願っています。
口腔ケア マニュアル 編集担当者
- 委員長
- 鈴木郁夫
- 副委員長
- 赤阪有子
- 委 員
- 米山武義・藤本忠市・可知一郎・有海司郎・糟谷政治
- 顧 問
- 大久保満男・飯嶋理
- 部 長
- 飯嶋理
- 副部長
- 榎田中外・西原和行
- 部 員
- 坂井正彦・鈴木郁夫・矢部伊佐雄・大川覚・鈴木重光・近藤正明(編集責任者)・望月廣・朝波修・大石えり子・遠山孝之・若林秀典・梅津健吉・鈴木紳之・糟谷政治・松井忍・大村尚嗣・犬塚勝昭
- イラスト
- 石川史織
