噛む 咬む 咀む 嚼む

「咀嚼」(そしゃく)とは、「咀」も「嚼」もかみくだくの意で、かむくだくこと、十分に理解し味わうことを指します。

形声文字である「歯」という漢字の下部は歯の並んでいる形です。毎日無意識に行っている「噛(か)む」ということにはどんな意味があるのでしょうか。噛むといえばガム。ガムの歴史はとても古く、古代ギリシャでは歯や口の中をきれいにするためにマスティックの樹脂を噛んでいた。一方、中南米に住んでいたマヤ族は3000年ほど前から、サポディアの樹液を固めて噛んでいたといわれる。この頃から歯や歯茎を丈夫にするために、ガムの前身といえるものを噛んでいた。これがチューインガムの起源。現在でもアフリカの一部の地域ではガッタの枝を噛んでいます。枝を割いてハブラシに使用もします。ついでに「齟齬(そご)」いうことばは、上下の歯がくいちがうこと、物事がくいちがうことを言い表します。

昔から「よく噛んで食べなさい」と食事のときにいわれます。よく噛むといいのはなぜでしょうか。食事のときに意識してよく噛んでみましょう。

よく噛んで食べるということは、食べ物を切ったりすりつぶすことです。よく噛んで食べると消化がよくなります。

噛む時には唾液もたくさんでます。唾液がでると、でんぷんを分解したり、発ガン物質をとかしたりといいことがたくさんあります。一日の唾液の分泌量は成人で1~1.5リットルといわれています。

生きるためにはエネルギーが必要です。体を動かすためだけでなく、静かにしている時や眠っている時も、エネルギーを消費しています。エネルギーはすべて食べ物によってとりいれられるのです。どのように体の中に獲得するかということはとても重要なことです。よく噛んで食べるということは、栄養分を体に吸収しやすくしているといえます。

体の中にとりいれる時の「噛む」ということ。何をどのくらい噛むのかで獲得できるエネルギーも違ってきます。

また、噛むことによって、記憶力がよくなる。成人病を予防する。運動器官の機能を高めるなどいろいろな効用がいわれています。「噛む」という行為はとても大切なんです。

食事は時間をかけて、よく噛んで健康な生活を心がけましょう。