ユーモアの楽しみ“笑い”は免疫力を高める!?
動物の生命は巧みな免疫機構で守られています。免疫機構は出生時にも母胎からもらっています(自然免疫)が、徐々に弱くなって幼稚園児の頃は様々な感染症に罹り熱が出ますね。しかし、成長とともに自分で獲得する免疫機構(獲得免疫)が強くなって感染症に罹りにくいし罹っても軽く済みますが、50歳をピークにして弱まってきます。高齢者に肺炎等での死亡が多いのはこれが理由です。
この免疫機構の主役を務めるのはリンパ球のT細胞でありますが、今回は面白い実験結果を紹介しましょう。
某大学病院で患者さんに1時間落語を聞かせて笑っていただき、その前後のT細胞数を検べたところ平均で16%増加したそうです。つまり笑うことで免疫力が昂まったということですね。
現実に、私の経験でも始終悩んでいる人の方が、日常笑って細かいことに拘らない人より病気の快復が遅かったり、ガンに罹っても予後がよくないように思います。ガン細胞もその人にとっては異物ですから、当然のことなんでしょうね。
笑いを誘うものにユーモアがあります。心から顰めっ面してはユーモアのある会話なぞできませんものね。「男は白い歯を見せるな」という時代に育った私は笑顔が少ないと言われますし、従業員にも「先生は真顔で冗談を言うから本気にしちゃう」と嫌われていますが、心の中では何時も笑っていますからガンになっても長く持っています。
Aさん「死ぬのは嫌だが、動けなくなって下(しも)の世話にだけはなりたくないね」
Bさん「全くだね。暖かくなったら、ポックリ寺に願掛けて来ようか?」
Aさん「駄目だよ、あそこの和尚さん長いこと中風で寝たっ切りだそうだよ」
Bさん「うーんそうかい。和尚さん、よっぽど信心が足りなかったんだね」
これは待合室で実際にあった2人の老女の笑いを堪える私を前にしての会話です。
英米の友人と3人で食事し終わって、米国の友人が多くのピルを取り出して米国人がジョギング、ゴルフ、水泳等でダイエットし、サプリメント服用で如何に健康保持に努力しているかを自慢した。
黙って聞いていた英国の友人がニヤリと笑って言ったね。「英国人は一向にそんなことはしないが、平均寿命は君の国より長いぜ」。聞いていた私は「それは奥さん達のお陰ですよ。なんせ、世界一まずいのが英国料理ですからね」と冷やかし、3人して大笑いした。
「沈黙は金なり」=「Silence is gold, speach is silver」。洋の東西を問わずこの諺がありますが、互いを知るには会話が大切。ですが、ユーモアにはTPO(Time,Place,Occasion)を無視できない。
(日歯広報平成17年7月15日号「健康ひとり言」より)
