「口内炎」!単なるただれ?

アフタ性口内炎

口腔内は、歯以外の部分が粘膜におおわれ、食物の咀嚼(そしゃく)、消化、嚥下(えんげ:食べ物などを飲み込むこと)などの食事にかかわる働き、味覚のように食欲にかかわる働き、会話にかかわる働きを持っています。唾液の分泌は、口の中を湿らせ咀嚼を容易にし、味覚を助け、食物を飲み込みやすく、とくに、口の中を清潔にする働きがあります。

一般に口腔内(舌、歯ぐき、唇や頬の内側など)や唇のすみにできる、あれ、ただれなど何らかの原因で起こる炎症を、総称して「口内炎」と言います。風邪をひいた時などにできやすいのですが、原因のはっきりと解らないものも少なくありません。

「口内炎」ができると、食事にかかわる働きが障害されますが、症状の悪化に伴い体力低下などの身体的苦痛はもちろんのこと、イライラや不眠など精神的にも大きな苦痛を伴うこととなります。また、口腔内でのおおくの働きが障害されることになりますし、「口内炎」と思われているもののなかには、重篤な全身疾患の前兆を示している「できもの」の場合もあります。

入れ歯が合わない時や、歯並びが悪く粘膜にあたる時、誤って噛んでしまったり、歯ブラシでこすったり、熱いものを食べ、火傷した時、口腔内の粘膜が乾燥している時にちょっとした刺激で傷がついたり、するなどの物理的な要因や、ウイルス・かび・細菌の感染、金属アレルギーなど、口の中での原因によって起こる場合と、ビタミン(ビタミンC・ビタミンB2)不足などによる栄養障害、自己免疫異常の病気、薬物アレルギー、胃腸障害など、全身的な原因によって起こる場合があります。

ヘルペス

また、がんの放射線療法では、特に口腔、耳鼻、咽喉、食道疾患などの治療においてはほとんど避けられず、照射に伴い唾液分泌が抑制され、口腔内の乾燥、味覚異常などの症状を伴います。化学療法の場合も抗がん剤、代謝拮抗剤の副作用として発生するものが多く、早ければ治療中よりおこり、唾液の分泌が抑制され、口腔内の乾燥などの症状を伴います。症状の程度は、投薬量や方法によって異なります。また、治療によって白血球が減少し、口腔内の局所感染を引きおこすことがあります。

「口内炎」は1週間程度で自然に治るものがほとんどですが、2週間以上たってもよくならない場合や痛みがひどい場合、症状が繰り返して起こる場合などは、ほかの病気の可能性もあるので、歯科以外でも耳鼻科や皮膚科で診察を受けましょう。

中でも、もっとも多いのが「再発性アフタ」と呼ばれるもので、直径5ミリ程度の白い潰瘍が繰り返し起こります。原因ははっきりしていませんが、1週間ほどで自然に治る場合がほとんどで、あまり心配はいりません。

「口内炎」には、舌や唇の内側におもにできる「アフタ性口内炎」のほか、刺激によって起こる「カタル性口内炎」、歯肉にできる「潰瘍性(かいよう)口内炎」、アスピリンを飲んだり、何かにかぶれたりして起こる「アレルギー性口内炎」、ビタミンC不足による「壊疽性口内炎」、白血病の初期に見られる「白血病性口内炎」などもあります。「口内炎」には多くの種類があります。

「口内炎」の症状としては、つぎのようなものがあります。

痛み、出血、食事がしみる、口腔内の乾燥、口内がはれる、口が動かしにくい、食物が飲み込みにくい、味覚がかわる、会話しにくいなどです。

日頃から、口の中を清潔に保ち(洗口)、歯を磨く時には粘膜を傷つけないように正しいブラッシングを行うほかに、栄養バランスのよい食事を心がけるなど、全身の健康にも気を配るようにしましょう。

「口内炎」の出来やすい人でなくても、しょうゆや香辛料、たばこ、お酒など刺激物はなるべく控え、うがいや歯磨きを心がけ、口の中を清潔に保ち、歯を磨くときに、患部を傷つけないように気をつけるなどが必要です。

入れ歯が合わないときは、早めに調節しておきましょう。虫歯があれば早めに治療しましょう。

がんの放射線治療を行うにあたっては、うがいを頻回に行い、口の中を清潔に保ち、照射部位を冷やすとともに、氷片などを口に含んで口腔内を冷やすことです。入れ歯ははずします。治療に伴い、口腔内が乾燥します。加湿器や吸入器を使用し、口腔内の乾燥を和らげることも効果的です。唾液の分泌が抑制されるため、人工唾液などを使用することもあります。

また化学療法では、治療前に虫歯がないかチェックし、必要に応じて歯科を受診しましょう。治療中、口腔内を冷やすことにより、抗がん剤が口腔粘膜に到達する量を減少させ予防します。放射線時と同様、氷片を口に含み口の中で転がします。氷の角で口の中を傷つけないよう一度水で流し、角をとってから口に入れましょう。うがい薬を使用し、毎食後・就寝前にうがいをすべきです。

一般的に、口内炎治療薬として使われている軟膏は、あまり体にいいものではありません。

よく口内炎ができる人は一度原因を調べてみるべきでしょう。