災害時に歯科医師が出来る事、歯科医師でなければ出来ない事(1)

平成23年3月11日午後、未曾有の大震災が発生したことは記憶に新しいことです。

被災現場で歯科医師が出来る事は、防災訓練を受けた一般県民が出来る被災者の建物等からの救出、小規模な消火、トリアージ及び搬送のほか患者の簡単な外科処置などがありますが、歯科医師、特に歯科医師会会員でなければ出来ないことがあります。なぜ歯科医師会会員でなければならないのかは次回説明します。

静岡県歯科医師会には、「静岡県歯科医師会防災計画書」が平成8年に策定されています。

この防災計画では、歯科医師会員の災害時の業務を4項目で示してあります。計画は、歯科医師会内の部分と外部の救援、支援と応援に分けられます。

対外的にはまず、救急歯科医療です。ついで犠牲者の身元確認の作業があります。そしてあまり知られていない被災地全域(特に避難所・施設等)での口腔衛生管理があります。これらの業務に優先順位はありません。

■災害時歯科医療

大規模災害が発生し地域の歯科医療機関が被災し、歯科医療提供機能が低下または崩壊した時、平時の歯科医療需要者に加え災害による負傷を含め患者が増大することが十分予想されます。このために、歯科医師会は被災地に救急歯科医療を提供します。

本会は、阪神・淡路大地震のころまでは、障害児(者)の治療や歯科健診のために県より委託を受けて診療車を稼動させていました。阪神・淡路大地震のときは、兵庫県歯科医師会(神戸市)に1ヶ月貸与して、地元の歯科医療のために君臨いたしました。その後、残念ながら診療車の老朽化と障害児(者)歯科治療の会員診療所での対応やセンターの設置等で診療車を廃止いたしました。

災害時の歯科医療救護活動の円滑な運営のために、静岡県に10年にわたり移動式歯科治療機器セットの配備をお願いしていますが、未だに対応されていません。

本会自前で災害時の歯科医療救護活動が出来ないのであれば、応援を受けるしかありませんので、県防災局(現危機管理部)の協力のもと、自衛隊野戦部隊にある歯科医療小隊の派遣を災害救助法発令時の応援項目に加えていただきました。

このチームは自衛隊ですから装備を含めて(他県から派遣された一般の歯科診療車が入れない、分断された被災地)出動し、歯科医療ができるからです。

尚、大規模災害被災時に「青い鳥」の旗が掲げられている歯科医院は診療をしています。

(つづく)

専務理事 竹下 朝也