災害時に歯科医師が出来る事、歯科医師でなければ出来ない事(2)

災害時には、歯科医師会会員でなければ歯科医師としての職務を十分発揮できません。

歯科医師会では県や市町、国と災害対策協定を締結しています。すべての災害対策は組織の行動計画に基づいて的確に実施されます。これが、歯科医師会会員でなければ何もできないという理由です。会員であっても、個人では役に立てません。

今回の災害においても、個人的に意気果敢に被災地に応援に行った人のことが報道されていましたが、発震直後や初期の受け入れ態勢が出来ていない被災地では、一般のボランティアは受け入れられず、被災地より戻されました。当然、個人の歯科医師も受け入れられませんでした。

被災地の状況を正確に把握して今、どこで何がどれほど必要か。さらに、各現場の状況をも十分に把握して、必要な者(物)を必要なだけ援助しなければ現場は混乱します。

静岡県歯科医師会は、阪神・淡路大震災と新潟県中越大地震を教訓として策定・改定した「静岡県歯科医師会防災計画書」に従って今回は対応しました。

前回記載しましたが、静岡県歯科医師会の防災計画では、歯科医師会歯科医師の災害時の業務を4項目で示してあります。計画は、歯科医師会内の部分と外部の救援、支援と応援に分けられます。

対外的には前回説明しました救急歯科医療があります。ついで犠牲者の身元確認の作業、そしてあまり知られていない被災地全域(特に避難所・施設等)での口腔衛生管理がありますが、これらの業務に優先順位はありません。

もともと本会の防災計画は、阪神・淡路の都市型大地震を参考に策定したものです。静岡県の地形を考慮すると新潟県中越地震のときと同じような状況が十分考えられます。新潟では道路の寸断等による被災地の孤立化が発生しました。新潟県中越地震後、本会の防災計画は修正・改定しました。

今回の震災では、地元の救援要請を待ち、防災計画に基づいて5月に入り歯科医療チームと身元確認チーム4チームを宮城県に派遣、派遣推薦しました。

静岡県では、緊急時の歯科医療薬剤・機材は保管されていませんので、本会と歯科医師会会員が機材を供出し、ワゴン車満載で宮城県に出向しました。

また、本会派遣では歯科衛生士を帯同し、避難所等での口腔ケア、口腔保健指導も実施しました。

尚、大規模災害被災時に「青い鳥」の旗が掲げられている歯科医院は診療をしています。

(つづく)

専務理事 竹下 朝也