災害時に歯科医師が出来る事、歯科医師でなければ出来ない事(3)

災害時に歯科医師会会員歯科医師でなければ出来ないことに、救急歯科医療、犠牲者の身元確認の作業、そして被災地全域(特に避難所・施設等)での口腔衛生管理があります。

■災害時身元確認

静岡県歯科医師会は全員が静岡県歯科医師会警察歯科医会の会員です。平時には、主に、警察協力医会歯科医師(本会会員)が警察からの要請によりご遺体の歯科所見の採取(歯形などの口の中のチェック)を行っています。

災害時には、本会防災計画、静岡県警との覚書で、本会警察歯科医会が身元確認の業務を担うことになります。

大規模災害時には、多数のご遺体が発生することが想定されます。今回は、2万人を超える死者が発生しました。

歯科医療救護活動の一環としての身元確認(歯科的個人識別)は、歯科医師の重要な役割の一つです。

この業務は、確実な所見採取(口腔顔面の撮影、歯科所見の採取、エックス線撮影)を行い死後資料を作成することと、生前の口腔等の資料と照合して身元を判明することです。生前記録は診療経過をたどり、エックス線画像や模型、技工指示書などの資料も考慮しながら、診療最終日の状態を作成します。

■災害時口腔衛生管理

大規模災害時には、多くの被災者が避難所などで集団生活を余儀なくされます。

被災時、避難時に歯や口に外傷を負うことがありますが、避難生活が長期化しますと、食生活の偏りや水の不足、ストレスなどにより多くの口腔疾患が発症します。

むし歯、歯周病、口内炎、口臭のほか、とくに避難所での不十分な口腔衛生管理の結果、誤嚥性肺炎の発症があります。

今回も、4月中旬に宮城県の避難所、病院で150人の肺炎患者が発生し、9人が肺炎が原因で亡くなったと報じられていました。

この分野は、直接、命に関わる救急医療ではありませんので、行政の協力(災害救助法の適用)は得られません。本会では、会員から義援金を募集して、被災地の口腔衛生管理の名目で東北3県に供与することとしました。

静岡県歯科医師会は県と連携して、被災時に該当地区で十分な口腔衛生管理が出来るよう取り組んでいます。

尚、大規模災害被災時に「青い鳥」の旗が掲げられている歯科医院は診療をしています。

専務理事 竹下 朝也